No.2 顧客起点へのビジネスモデルの変革!

営業革新を行い、企業が成長するためには何が必要なのでしょうか?

多くの企業では、予算に対し大きく未達であると、管理職が営業に対し「何とかせい!このままでは自分の給料も出ないぞ!」と具体的な戦略・戦術もなく、根性論でハッパを掛けます。「商品を売る、自分を売る、サービスを売る」のが営業の基本だと!!

しかし、営業担当は営業件数を増やすべく遅くまで働いたり、商品を売る工夫をしても、簡単に業績を上げることはできません。これは、営業活動が「企業起点」になっているからです。

では、いま勝ち組と呼ばれ成長している企業はどうしているのでしょうか!

それは「お客様のことをよく理解し、お客様が求めるタイミングで、質の高い提案を実施する」という「顧客起点」のビジネスモデルを実行しているのです。

お客様にとって「自社の課題をよく理解し、必要な時期に、最善の提案をしてくれる」ことは歓迎なのです。

営業担当としては、お客様に喜ばれて、業績が上がることになります。

この顧客起点を支援する仕組みがSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理システム)なのです。

しかし、SFAやCRMを導入した企業がみな顧客起点のビジネスモデルとなり、勝ち組として成長できているかというと、そうではありません。効果が出ているのはだいたい2〜3割で、残りの7〜8割の企業は残念ながら成果が出ず、費用対効果が上がっていないのです。

なぜ成果が出ていないのでしょうか?

その理由は大きく下記の4つです。

  1. 仕組みが自社に合っていない
    ・・・製造業とサービス業では業務の仕組みが違う
  2. 費用が掛かり過ぎる
    ・・・できれば営業全体で実施したいが費用の問題で一部しか導入できていない
  3. 入力自体がされずに活用されない(担当)
     ・・・忙しく入力する時間がない。入力しても活用されない。
  4. 入力しているが活用されない(上司)
    ・・・入力される時期が遅く大した情報がない。聞いた方が早い。

逆にこれらが改善できれば顧客起点の仕組みが導入でき、お客様に喜ばれながら業績を伸ばしていけるのです。

1つ目の「仕組みが自社に合っていない」要因は、パッケージをそのまま導入するケースが多いようです。製造、食品、医療、商社、金融、サービス、IT関連、建設・不動産など業種によって改善方法はもちろん異なります。同じ製造業でも個々の企業で違うはずです。パッケージの要素を活かしながら、経験豊富なコンサルタントやSEが各社の業務を分析し、最適な仕組みを導入すれば解決できるのです。

2つ目の「費用が掛かり過ぎる」点については、インフラを何にするかなどの工夫が大切です。例えば効率的なクラウドシステムを利用する場合、ライセンスの種類によって費用を5分の1で実装することもできます。

3つ目の「入力自体がされず活用されない(担当)」場合は、活動報告は営業としての基本業務であること。企業起点の活動では頑張ってもなかなか業績が伸びないこと。顧客起点の活動に変換することで、お客様に喜ばれ、業績アップにつながるという導入目的を腑に落ちるまで理解してもらうことが大切です。

4つ目の「入力しているが活用されない(上司)」については、業務の見える化を進め、タイムリーな支援ができること。社内ナレッジが蓄積され、競合対策、引き継ぎや新人教育も効果的に実現できるようになること。管理者として求められる体制を日々の業務から実現できることをしっかり理解してもらうことが大切です。

特に3つ目、4つ目は導入後の定着化支援が大切になります。

顧客起点のポイントをブレイクダウンすると下記のようになります。

  1. お客様のことをよく理解する
    ①お客様情報の一元管理
    ②キーマン情報の整備
    ③お客様の課題を知る

  2. お客様が要望するタイミングを見極める
    ①定期的なコンタクト
    ②営業活動中のお客様のささやき
    ③問合せ情報、クレーム情報にヒント

  3. 質の高い提案を実施する
    ①社内のベストプラクティスの作成
    ②失注要因の分析
    ③チーム営業・知恵出し

実際には、「①お客様情報の一元管理」などの要素をさらに3つに分解し、日々の業務に落とし込むことで、営業担当がしっかり活動すれば自然と顧客起点の活動となり、お客様に喜ばれて業績がアップする仕組みを実現することができるのです。