No.7 案件営業スタイルでの業績達成の仕組み

案件営業スタイルの組織ではどのようにして業績達成するのでしょうか?

案件営業スタイルでは「受注率」と「リードタイム」(案件発生から受注までの期間)から必要な案件総量(予算を達成するために必要な案件数)が確定します。

各社予算作成時には、この案件総量を獲得するための事業計画を作成します。
しかし、多くの企業では予算作成時には何度も事業計画を見直し、何とか経営の承認を得る努力をするのですが、いざ期が始まると従来と同じ営業スタイルで活動しているケースが多いのです。

そのため、期中になり予算と実績の推移を見直すと予算とのギャップが大きく、慌てて事業計画と照らし合わせ対策資料を作成するケースが多く見受けられます。

半期にしても年度にしても、決算は必ずやってきます。
それまでに如何に知恵出しと活動をしたかで、決算の数字は大きく変わってきます。

業績達成のためのポイントは、この予算と事業計画を日々の業務と一体化し、常にPDCAを回し業務を推進することです。

■予算・実績管理

  • 期初での受注残とパイプラインから、見込める売上予測と予算とのギャップを算出します。
  • ギャップを解消するための戦略テーマを部署ごとに設定し、常に変動する予算と実績の差異の見える化を行います。

■戦略テーマ管理

  • 部署別に戦略テーマごとの案件総量と受注額を連動し、今期の案件推移を分析し、業積達成の見通しを確認します。
  • 達成が難しい場合、戦略テーマの見直し、または新規追加を検討し、業績達成に向けての活動を実施します。

■案件管理

  • フェーズ別の案件パイプライン管理により案件総量と受注率の見える化を推進します。
  • 今期注力すべき大規模案件、30日以上未活動の案件、競合との差別化が必要な案件、失注分析など案件情報の見える化を実現します。

■顧客管理

  • 顧客カルテを作成し、業種、規模、ランク、興味のある製品、未導入製品などを見える化し、ターゲットリストを作成します。
  • 一斉配信によるコンタクトや個別アポイントから、お客様が要望するタイミングを見極め、質の高い提案を実施できる体制を支援します。

■活動支援

  • 新規と既存の比率、戦略テーマごとの活動、プロセスごとの訪問件数などから、活動の見える化を行い、効果的な活動を支援します。

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事業計画によりいかに案件総量を確保するか、発生案件をいかにクロージングまでもっていくかが大きなポイントとなります。

案件総量の拡大については、ターゲットリストや販促活動の計画を立て実施することが必要です。
クロージングには、「未決」や「放置」案件をなくし、案件と活動を連動することで、お客様の課題を的確に把握し、最善の提案を実施することが大切です。

近年様々な業種で競合のない案件はほとんど無く、競合情報の見える化と、失注要因の分析により
企業の強み、弱みを本音レベルで洗い出し、業務に活用できる体制の強化が重要です。

役割別でみると、営業担当はいかに「案件」を発掘してクロージングするかが大切です。そのために案件パイプラインの活用や営業プロセスによる効果的な活動が必要です。

マネージャーはいかに「売上」を伸ばすかが大切です。そのために予算・実績管理や現場の状況に応じた戦略テーマの対策が必要です。

経営者はいかに「利益」を増加し「コスト削減」を実現するか大切です。そのために売上予測の可視化と収益性・成長性を確認し、自社に最適な経営判断を実施することが必要です。

まだまだ多くに組織では、「顧客情報」「名刺情報」「案件情報」「日報」「各種ファイル」がExcelやメールなどにバラバラに存在しています。

これらの情報は実務的には連動して動いています。よって、これらの情報も連携して管理すべきです。
そのことにより、お客様の担当やキーマン情報とともに、お客様に対する活動や案件情報、見積書・提案書・契約書などが顧客カルテとして一元管理できるようになります。
必要な人が、いつでもお客様と自社との最新情報を把握することができ、次の一手を実施することができるのです。