はじめまして、クリアの津福(つぶく)です。
私は慶應義塾大学工学部を卒業後から主に営業の仕事に従事してきました。
理工系の勉強は社会に出てからでは難しいと考え、大学で理工系を学び、社会に出てからは営業の仕事をし、最後は起業しようと思っていました。
最初の3年間は、飛び込み営業からはじめ、ルートセールス、直営営業所の立ち上げとしっかり営業の基礎を学びました。
その後、パソコン用ソフトウェアの開発・販売会社の営業責任者となり、パソコン業界の黎明期からパッケージソフトウェアの普及に尽力しました。
SFA:Sales Force Automation(営業支援システム)が日本に紹介された直後の1997年より、如何にすればSFAの仕組みを活用し日本の企業で営業力の強化を実現できるかを1年近くかけて研究し、SFAのパッケージを構築しました。
その後、CRM:Customer Relationship Management(顧客関係管理システム)として顧客対応力強化に取り組み、100社以上の中堅・大手企業の営業革新を支援してきました。
現在は株式会社クリアの代表として中堅・中小企業の「営業力強化!」「顧客対応力強化!」の支援を実施しています。
本コラムでは、私がこれまで経験してきた日本企業での営業革新の事例を基に、不定期ではありますができるだけ隔週でご紹介していきたいと思います。参考にしていただければ幸いです。
◆IT経営とは何か
経済産業省が推進しているテーマで、まだご存じでない方も多いのでご紹介します。
「IT投資本来の効果を享受するためには、目的なく単に現業をIT化するだけでは不十分であり、自社のビジネスモデルを再確認したうえで、経営の視点を得ながら業務とITとの橋渡しを行っていくことが重要である。
このような、経営・業務・ITの融合による企業価値の最大化を目指すことを「IT経営」と定義する。」(IT経営ロードマップ改訂版より 平成22年3月 経済産業省)
実際、いろいろな企業の方とお話しすると、経営者は「現業が昔ながらの活動から脱却できず、なかなか経営方針に沿った動きになっていない」と嘆き、 現業は「うちのITは使いもんにならん。現状を知らずにはやりのシステムを導入して」と不満をもつ。またITは「せっかく効率的なシステムを構築しても現 業が使いこなせず、宝の持ち腐れだ」と。
経営・現業・ITがバラバラの方向を向いている企業が多い中、現在勝ち組をいわれる成長企業は、経営・現業・ITが同じベクトルで業務を遂行している企業なのです。
ではなぜ今IT経営が必要なのでしょうか?
それは現況で実績を維持、拡大するには、『スピードを待った経営判断が不可欠』なためです。
様々な企業で、昨年と同一の活動を1年間実施しても、昨年の実績を維持することができないというのが実情です。
企業が現状維持および成長するには、スピードを待った経営判断が不可欠ですが、現状が見えない状態で経営判断しても失敗は見えています。
競合のない業界はほとんどなく、「現況および自社の強み・弱みを見える化し、的確な判断を実施する」ことが必須となっています。
企業の成長に情報化が欠かせない現代、IT経営は、成長企業に欠くことができない指針になっています。